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教員と専門分野

池上 高志
(複雑系の科学):おもにコンピュータを用いた構成的な理解を目指す研究を行う。対象は広く、化学反応と自己複製、生態系の進化、ゲーム力学系、認知的相互作用、などを扱っている。対象を、いかに時間発展のダイナミクスとして、とらえるか、というのが共通の視点となっている。
松尾 基之
(環境分析化学):環境中の種々の元素の自然な分布と挙動に対して人間活動が与える影響について、分析化学的立場から研究している。特に、人為起源と天然起源の鉄の化学状態の違いに着目し、干潟や都市河川の環境分析を行っている。また、南極や深海底の堆積物を分析することにより、過去の環境の推定なども行っている。
瀬川 浩司(兼担)
(機能分子科学):ナノ構造をもつ分子システムに関する物理化学的研究を行う。具体的研究項目は、光合成モデル分子系や自己組織化した分子集合体の物理化学、πラジカル配列分子系の導電性や磁性など、光エネルギー変換から情報変換にわたるさまざまな機能分子系に関するものである。このほか、蓄電できる太陽電池など、エネルギー問題の解決につながる応用研究も行っている。
尾嶋 正治(兼担教授)
(半導体デバイスシミュレーション):MOSFETのデバイスシミュレータを用いて、ゲート膜下のドーピング制御、ゲート膜構造などによるトランジスター特性の向上の研究を行うとともに、半導体量子ドットレーザー用量子ドット結晶内歪みシミュレーションとそれを考慮したバンド構造解析、設計などを行っており、最先端ナノデバイスの設計・制御に関する研究を行っている。
嶋田 正和
(集団生態学・進化学):実験系や野外での生物集団の個体数変動、宿主と寄生者の相互作用と共進化、資源利用や繁殖行動の進化、生活史の進化、保全生態学など、実験・野外調査・シミュレーション解析を併用して広く研究している。昆虫、小動物などを材料とすることが多い。
伊藤 元己
(植物進化学・生物多様性情報学):植物の進化と多様性情報に関する研究を行っている。植物の種分化機構、形態進化の分子生物学的解析を中心に、植物の進化生態学、進化遺伝学、保全生物学などの分野の研究も広く行っている。
増田 建
(植物生理学・植物分子生物学):植物と光との関係について、葉緑体形成や光環境適応、光合成の環境適応・進化機構について、特にクロロフィルやヘムなど色素類の合成・分解の制御機構の解明を通して研究を行っている。主に植物生理学、分子生物学、生化学、分子遺伝学などの手法を用いて研究を進めている。
江里口 良治
(天体物理学):回転星の構造と安定性をニュートン重力および一般相対論を使って数値的に求めている。最近は、磁場が恒星の内部構造に影響する場合も扱っている。
磯崎 行雄
(地球科学・生命史):1)史上最大規模の生物大量絶滅事件と「プルームの冬」仮説、2)プレート沈み込みによる造山運動プロセス、3)地球最古を含む先カンブリア時代の生命化石と生息環境。
蜂巣 泉
(天体物理学):宇宙の中で起こる様々な流体力学的現象を数値流体力学の手法を用いて解明する。また、そのための新しい計算コードの開発なども行う。特に、超新星爆発や新星爆発などの星の爆発現象、連星系中のガスの流れ、また高密度星団中の星の衝突や合体などを追いかけることを計画している。
小河 正基
(固体地球物理学):地球内部、特にマントルが熱・化学的にどのように進化したか、その結果地球の活動様式はどう変化したかを明らかにすることを目的とし、地球内部での対流運動と火成活動の数値シミュレーションを行っている。
柴田 大
(宇宙物理学、数値的相対論):一般相対論的宇宙物理学に関する研究。 主に、ブラックホールの形成や連星中性子星が合体するといった一般相対論的宇宙現象を、数値シミュレーションによってアインシュタイン方程式と流体方程式を解いて調べる。またこれらの現象に伴って放出される重力波の特徴を解析する。
鈴木 賢次郎
(応用情報論):人間が図を介して3次元空間に関わる問題を解決する過程、特に、その学習過程について研究する。また、その成果を応用したCAV(Computer Assisted Visualization)システムの開発、研究を行う。
玉井 哲雄
(ソフトウェア工学):ソフトウェアの仕様技術、検証技術、進化プロセスのモデル化、オブジェクト指向分析/設計、マルチエージェント・システム、ソフトウェア工学と知識工学との融合、などが主な研究対象である。
川合 慧
(計算機科学):情報システムと人間とのかかわり合いを、コンピュータグラフィクス(図形と画像)、プログラム言語(アルゴリズム)、ユーザインタフェース(対話の手法)、ネットワーク(分散処理)および各種の戦略探索(知識獲得)などの側面から実際的および理論的に研究する。
丹羽 清
(科学技術計画論・組織知能論):人間個人や人間組織(企業や公的機関)の創造的/知的活動を、認知科学、システム論、技術経営(テクノロジーマネジメント)論等から研究する。例えば、人間の創造的認知過程や、人間と計算機との協同方式のモデル化、組織における知識マネジメントや研究開発マネジメントの新方法提案、イノベーションシステムの研究など。
安達 裕之
(造船史):日本の造船の近代過程など船舶に関連するさまざまな分野(造船・海運・海軍など)の史的研究を行なっている。
加藤 道夫
(建築設計論・建築図論):建築設計がどのような理論や手段にもとづいて行われるか、設計システムとしてどのように捉えられるかについての研究を行っている。特に、建築設計過程における図の有用性、並びに、設計内容や設計理論の伝達手段として図が果たす役割が現在の主たるテーマである。これらは、歴史的観点と実践的観点の双方から捉えられる。
中村 政隆
(離散数学):グラフ、ネットワーク、多面体、束、マトロイド、凸幾何、有向マトロイドなどの離散数学と組み合わせ最適化の理論。
植田 一博
(認知科学・知能情報学):コミュニケーションを通した学習や協調的問題解決、熟達化などの人間の認知・知能にかかわる動的現象の特徴やメカニズムを、心理実験・脳計測・コンピュータシミュレーション・参与観察等の方法を駆使して解明する(創造性研究・知能ロボット研究・熟達化の研究など)。さらに、人間(の知能)とそれを取り巻く社会や環境との相互作用によって生まれる様々な社会・経済現象(例えば、金融バブルや流行など)のメカニズムを解明する(人工市場/人工社会研究)。
藤垣 裕子
(科学計量学・科学技術社会論):科学技術活動に対するR on R(リサーチ・オン・リサーチ)の手法の1つとして科学計量学を扱うとともに、科学技術活動と社会の接点において発生する複合的問題に対する研究(STS:Science, Technology, and Society)を行う。
開 一夫(兼担)
(認知科学、発達・学習システム論):発達/適応的に変化するシステムの根本原理を、計算機・ロボットを用いた機械学習システム・認知モデルの構築と、ヒト乳児を対象とした行動実験を通じて研究している。また、TV、TVゲームといったメディアが乳幼児の脳に与える影響についてNIRS、EEG、fMRI等を用いて研究している。
増原 英彦
(ソフトウエア科学):多様な情報システムの構築を容易にするために、プログラミング言語の言語設計や実行方式などを研究する。具体的には、アスペクト指向・オブジェクト指向プログラミング言語のモデル化や設計、部分計算によるプログラムの効率化、安全な実行機構、リフレクションによる言語拡張など。
山口 和紀(協力講座)
(データモデル):さまざまなデータに対して、その根幹となる情報構造を研究している。具体的には、WWW、半構造データ、適応的モデル、自己組織化、主成分分析、講義データ、議論構造、正規表現などを扱っている。
田中 哲朗(協力講座)
(プログラミング言語):記号処理言語、並列言語、プロセッサ依存の最適化、ガーベジコレクションなどプログラミング言語処理系に関する研究を行っている。関連して、完全情報ゲーム(囲碁将棋等)、不完全情報ゲーム(ブリッジ等)、探索アルゴリズムなどゲームプログラミングも研究対象にしている。
尾上 能之(協力講座)
(プログラミング言語):構成的アルゴリズム論に基づくプログラミング変換の実現を行なう。主に対象とするのは関数型言語の処理系であり、融合変換や並列化などの手法を用いて、簡潔なプログラムを元に効率の良いプログラムを生成することを目標とする。
山口 泰(兼担)
(画像・形状処理):計算機による画像情報や形状情報の処理手法について研究している。絵画風画像の生成手法、視覚復号型暗号、ロボットビジョンの応用、位相情報のモデル、曲面の処理技術などが主な研究対象である。
牧野 淳一郎(兼担)
(計算物理学・数値天文学):計算機シミュレーションによって原始太陽系から宇宙全体にいたるさまざまな階層の天体現象を研究すること、およびそのための専用計算機を開発すること。
深津 武馬(客員)
(進化生物学):昆虫類におけるさまざまな微生物との内部共生現象を主要なターゲットに設定し、さらには関連した寄生、生殖操作、形態操作、社会性などの高度な生物間相互作用をともなう興味深い生物現象について、進化多様性から生態的相互作用、生理機能から分子機構にまで至る研究を多角的なアプローチからすすめている。
宮坂 力(客員)
(光電気化学):光反応性の機能分子を電極に固定化し、電極?電解液の界面において光照射したときに生じる電気的応答を計測しながら、光エネルギー変換や光センシングなどへの応用へ向けて、基礎からデバイス作製までの実験研究を行う。電気化学の知識をベースとする光電変換システムの研究が中心であり、光合成をモデルとする太陽電池や、人工網膜のようなバイオエレクトロニクス素子の構築などをテーマとする。
谷内 達
(人文地理学):オーストラリアにおける天然資源基盤と都市の形成・発達過程との関係を中心に、資源論・地域論に基づく都市システムの研究。
荒井 良雄
(人文地理学):人文地理学の方法をベースとした都市地域の研究を行っている。最近は、人口移動、流通と都市空間、企業/住民の情報行動の空間性、IT企業の立地分析などを中心テーマとしている。
松原 宏
(人文地理学):経済地理学、とりわけ産業立地と地域経済に関する理論的研究を主としている。都市・土地問題やドイツの地域構造にも関心を抱いている。
永田 淳嗣
(人文地理学):人文地理学、とくに政治・文化生態学の視点・方法に基づいた熱帯・亜熱帯地域の都市・村落社会の研究を行っている。おもなフィールドは沖縄、東南アジア、南アジア。