東京大学大学院総合文化研究科 広域システム科学系 / 東京大学教養学部 広域科学科
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広域科学科

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授業カリキュラムのご紹介

広域科学科は「広域システム分科」と「人文地理分科」に分かれている。広域システム分科の教育においては、上記のような複合的諸問題の対処に必要な、分析・予測・評価・意思決定など、計画の科学にかかわる基礎方法論と、関連する科学・技術の体系的修得が目指されている。方法論の習得として、システム基礎数学、システム理論、システム数理、情報システム科学などの科目群があてられ、自然界や生態系、人間社会など個々の対象に関する知識の修得のためには、エネルギー、物質、生態、地球、宇宙、人間社会などに関するマクロな自然科学の科目群(自然システム、自然体系論、複合系計画論)がある。 また、人文地理分科では、人文・社会科学的視野に立ちながら自然科学的手法を取り入れて人間活動と地域環境との関係を究明する。
この分科では、「環境論」と「地域論」を基礎とし、コンピュータ処理を含めた「地図学」や「地域分析」などの技法の習得、「社会経済地理学」などの系統地理学的手法による分析、「世界地誌」による世界各地の地域研究能力の養成が計られている。ここでも、「野外実習」が必修科目とされており、理論を実地に適用し現実を分析するとともに、対象地域の実態と適用した理論との乖離を検討し新たな理論を築いていくという技法の習得が計られている。人文地理学の基礎をなす科目群の他、地域データや地理を扱う分析手法の科目群、国内外の各地域を具体的に扱う科目群などが用意されている。

人文地理分科の授業時間割は 人文地理分科のWebサーバにあります。

広域システム分科

広域システム分科では、上記のような理念・特色を生かすため、いわゆるlatespecializationの教育理念に立ち、専門課程では応用力の高い基礎学力の他に、広い視野と多様で柔軟なシステム思考を備えた高度なgeneralistの養成をめざしている。学部の専門教育(3~4年)の時には広く学び、大学院に進学した後に、特定の専門分野の研究に特化するように配慮されている。本分科の授業科目は(表1参照)、どのような対象にも共通して適用される方法論を学ぶ科目群と、生態や地球など個々の対象に関わる科目群の、2つに大別することができる。
科目の特徴は、広い分野の総合化を専門とする際に必要な方法論や基礎知識を学ぶことに重点が置かれ、同時にまた方法論のみに偏ることなく、広い領域にわたる分野を横断的に統合し、その総合を扱うという視点から再編された体系的知識の修得に主眼が置かれていることである。

方法論系

システム基礎科学
自然科学や情報科学の扱う対象を理論的に解析するのに必要な数学を講義する。
システム数理
システムの挙動を解析・制御するための数理的取り扱いを解説する。
システム統計学
さまざまなデータを統計的に解析する手法について講義する。
情報システム科学
情報処理と、それを支える情報科学の理論・技法について講義する。
システム理論
システムの構造、その動態と進化に関する数理的取り扱いを解説する。
システム測定学
システム基礎科学実験と連動していて、それら実験科目で扱う測定や分析手法の背景にある理論や分析体系を解説する。

対象系

自然システム
物質科学、生物進化等における自然現象の基本的原理の理解を深めるとともに、システム概念やシステムモデルの具体的な様相を学ぶことにねらいがある。
自然体系論
巨視的自然現象に関する対象知識を、多層的総合システムとしての自然の構造、生命系を含む自然の動態、長大な時間尺度の自然の変遷などを考慮しつつ、体系的に整理再編したものである。
複合系計画論
科学・技術と人間社会との接点において顕在化してきた諸問題である資源・エネルギー、環境、科学技術論など、人類にとって重要でありながら、個別科学の枠組みの中では扱いがたい複合的かつ学際的分野を扱う。システム科学の方法論と自然に関する体系的知識を基盤として、問題解決を図る計画論を考究していくものである。問題を自ら発見し深化させ、解決策をさぐるディベートなども授業に取り入れている。

その他の授業科目

システム科学特別講義
学外から専門家をお呼びして、科学技術や先端科学の最近の動向 とトピックスが講義される。
外国語論文講読
多くの学生にとって初めて専門研究の論文を英語で読む機会であり、小人数のセミナー形式で行われる。国際社会で通用する英語の専門知識と 運用を身につけることができるであろう。

教育の特色

広域システム分科の教育の特色は、教官数に比して学生数が少なく、緻密で丁寧な少人数教育が行 われることである。また、本分科を卒業するために必要な 84 単位のうち、必修科目の単位数(選択 必修を含む)は 44 単位と比較的少なく、後述の実験・実習・演習・卒業研究などのプラクティスを 要する科目(合計 25 単位分)と、実験の遂行に不可欠なシステム測定学を除いては、必修科目の指 定は無く、各科目群の中から 1 科目ずつ選んで必修単位に充当することができる(表1参照)。 選択科目は、本学科で開講される講義のみならず、本学部他学科や他学部の科目を 18 単位まで卒 業に必要な単位として認定される。学生諸君はその個性に合わせて、自然科学のみならず社会・人文 科学分野における講義も最大限に利用し、多様なカリキュラムを組み立てることができよう。つまり、 本分科は自然科学をベースとしてはいるが、学問対象を自然界にとどめることなく、人文・社会科学ないしはこれらの境界領域にも求めることができる。このような多様な人材育成をめざす本分科の特 徴は進学枠にも反映され、理科生 12 名に加えて、文科生にも2名まで進学の枠が設けられている。 本分科のめざす総合科学としての計画学を実り豊かなものにするためには、方法論や対象に対する 実践的知識が不可欠である。この観点から本分科では実験や実習・演習が重視されている。まず実験 では、3年次の1年間、毎週2日の午後をシステム基礎科学実験にあてている。ここでも方法系の実 験と対象系の実験があり、方法論と対象知識との調和ある錬磨を期待している。実習・演習としては、 情報システム科学実習、システム数理実習、システム理論演習で、情報処理、数理解法システムシュ ミレーション等、計算機による実習・演習が予定されている。このほか、システム基礎科学実習では、 教官とともに野外に出て直接自然の動態に触れるフィールド実習も行われる。 卒業研究には、4年生4月から 11 月に学生ごとの希望により配属された指導教官の研究室で研究 する卒業研究Iと、5月から少しずつ検討会を進めて卒業研究 I の終了した 12 月から3月上旬まで 集中的に行う卒業研究 II がある。後者は、3~4人のグループで学生どうしが相談しながらテーマ を企画して行う問題発見・提案型のグループ研究である。

カリキュラムの将来像――コアカリキュラム

本分科の教育においては、近い将来に「コアカリキュラム」を設けることが企画されている。これ は、本分科独自の視点を育成するため、どの分野に進む学生もひととおり学ぶことが要求される必修 科目で、このコアカリキュラムを通じて、学生はさまざまな階層を貫く共通の原理/ものの見方とア プローチの仕方/分析から総合化に至る視点、などを身につけることになる。 コアカリキュラムは、教官の4つの研究領域を横断するように設けられている。(現在のところ以下のような案が出ている。それぞれ内容のキーワードを列挙する)

進 化
生物進化、人間社会の文化の進化、宇宙の進化に至るまでを共通して貫く進化の 原理を解説する。エントロピー、自己組織化、ダーウィン進化とランダムウォー ク進化、情報の継承、人工生命と進化のゲーム論、偶然と必然:大スケールの進 化を取り上げる。2001 年度から試行が開始された。
時 空 間
自然現象と空間構造、位相空間、結合カオス系、空間構造の自己組織化、時空構造、 因果律、重力などを扱う。(検討中)
観 る
観測論、測定するとはどういうことか?、見えないものを観る技術、観るために 必要な統計分析論、情報を引き出す、発見の戦略、などを扱う。(検討中)
計画する
計画とは?、意思決定、組織における知識創造、最適化、評価(2002 年度に試行予定)
作 る
ものを作り上げるための道筋と作業要素とを明確に意識することにより、「ものつ くり」に座標軸と希望を与えることを目的とする。キーワードは、数を数える、 量を扱う、構造を扱う、システムを扱う、モデルの世界、組み上げの世界、検証 と評価、メタな方法論など。(検討中)
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(c) 総合文化研究科広域システム科学系広報委員会